質的研究法関連の文献

数学教育研究者向けに簡単なコメントを「*」の後につけておきます。


概説しているもの

Alasuutari, P. (1995). Researching culture: Qualitative method and cultural studies. London: Sage.

平山満義(編). (1997). 『質的研究法による授業研究:教育学/教育工学/心理学からのアプローチ』. 北大路書房.

北澤毅&古賀正義(編). (1997). 『<社会>を読み解く技法:質的調査法への招待』. 福村出版
*質的研究法の新しい流れが手際よく紹介されており、質的研究の基本事項をある程度勉強した人に向いている。編者自身が述べているが、難解な部分があり、「入門書」ではないだろう。教育社会学の研究者が執筆の中心になっており、事例は教育研究者に理解しやすい。

ロフランド, J. & ロフランド, L. (1997). 『社会状況の分析:質的観察と分析の方法』. 恒星社厚生閣. [原著Lofland, J. & Lofland, L. H. (1995). Analyzing social settings: A guide to qualitative observation and analysis (3rd ed.). Belmont, CA: Wadsworth Publishing]
*社会科学における質的研究の具体的手順を、豊富な事例をもとに論じているすぐれた教科書。

佐藤郁哉(1992). 『フィールドワーク:書を持って街へ出よう』. 新曜社.
*フィールドワークを中心とする研究について平易に書かれた入門書。

志水宏吉(編)(1998). 『教育のエスノグラフィー:学校現場のいま』. 嵯峨野書院.
*解説付文献リストが充実している。

Bogdan, R. C., & Biklen, S. K. (1997). Qualitative research for education: An introduction to theory and methods (3rd ed.). Boston: Allyn and Bacon.

デンジン, N. K. & リンカン, Y. S. (2006). 『質的研究ハンドブック』(全3巻,平山満義監訳).北大路書房. [原著Denzin, N. K. & Lincoln, Y. S. (Eds.). (2000). Handbook of Qualitative Research (2nd ed.). Sage. ]
*質的研究法についての包括的なレビューをしているハンドブックの邦訳.ある程度質的研究法を学んだ方がさらに深く学ぶたいとき,関係する文献を調べるのに役立つ.英語版は,第3版が出ている.

Eisenhart, M. A. (1988). The ethnographic research tradition and mathematics education research. Journal for Research in Mathematics Education, 19, 99-114.

ウヴェ・ フリック (2002). 『質的研究入門―<人間の科学>のための方法論』. 春秋社.
*理論的立場から具体的手法まで詳細な検討が加えられているすぐれた包括的入門書。「テクスト」の議論に特徴がある。日本の読者向けの解説や文献リストが充実している。

Glesne, C. & Peshkin, A. (1992). Becoming qualitative researchers: An introduction. New York: Longman.
*読みやすい入門書。

Preissle, J. & LeCompte, M. D. (1993). Ethnography and qualitative design in educational research (2nd ed.). Orlando, FL: Academic Press.
*上級者向けの概説書。膨大な参考文献をもとに論じられており、多くの質的研究に関する論文を読みこなしていないと難しい。博士論文レベルの研究をする場合には重要になる書。

シャッツマン, L. & ストラウス, A. L. (1999).『フィールド・リサーチ:現地調査の方法と調査者の戦略』.慶應義塾大学出版会.

Silverman, D. (2000). Doing qualitative research: A practical handbook. London: Sage.
*David Silvermanの著作はどれも非常によみやすい。この書は博士論文を書く予定の院生に実践的で使える。改訂版もでている。

Stake, R. E. (1995). The art of case study research. Sage.
*著者はプログラム評価におけるケーススタディで広く知られている。読みやすい入門書。

ストラウス, A. & コービン, J. (2004).『質的研究の基礎:グラウンデッド・セオリーの技法と手順』.(第2版).医学書院.
(Strauss, A. & Corbin, J. (1998). Basics of qualitative research: Techniques and procedures for developing grounded theory (2nd ed.). Sage の邦訳)
*グレイザー, B. G. & ストラウス, A. L. (1996)への格好の入門書。

Teppo, A. R. (Ed.). (1998). Qualitative research methods in mathematics education (JRME Monograph no. 9). Reston, VA: National Council of Teachers of Mathematics.

理論的問題に詳しいもの

ブルーマー, H. (1991). 『シンボリック相互作用論:パースペクティヴと方法』. 勁草書房.

ガーフィンケル, H. 他 (1987). 『エスノメソドロジー』. せりか書房.

Geertz, C. (1973). The interpretation of cultures. New York: Basic Books.

木下康仁(1999). 『グラウンデッド・セオリー・アプローチ:質的実証研究の再生』.弘文堂.
*グレイザー, B. G. & ストラウス, A. L. (1996)が提案したアプローチをていねいに検討している.

木下康仁(2003). 『グラウンデッド・セオリー・アプローチの実践−質的研究への誘い』.弘文堂.

*前著(1999)で提案した修正版アプローチをより詳しく解説.

 

木下康仁(2007).『ライブ講義M-GTA:実践的質的研究法 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチのすべて』弘文堂.

*第2部に分析例が詳しく解説されている.

ライター, K. (1987). 『エスノメソドロジーとは何か』. 新曜社.

Lincoln, Y. S. & Guba, E. G. (1985). Naturalistic inquiry. Beverly Hills, CA: Sage.

Mehan, H. & Wood, H. (1975). The reality of ethnomethdology. Malabar, FL: Robert E. Krieger Publishing.

質的研究の諸方法に詳しいもの

エマーソン, R., フレッツ, R., & ショウ, L. (1998). 『方法としてのフィールドノート:現地取材から物語(ストーリー)作成まで』. 新曜社.
*フィールドノートの作り方を学ぶための優れた書。UCLAでの実際の指導の中で十分に練り上げられたもの。

グレイザー, B. G. & ストラウス, A. L. (1996). 『データ対話型理論の発見:調査からいかに理論をうみだすか』. 新曜社.
*データ分析から理論創造へ進むための技法が論じられている。難解だが,グラウンデッド・セオリーを勉強したい場合は必読の書.

Janesick, V. J. (1998). "Stretching" exercises for qualitative researchers. Thousand Oaks, CA: Sage.
*質的研究法の観察、インタビュー、その他の技法習得のための実習本。質的研究をセミナーやワークショップ等で指導したりするのに重宝するきわめてユニークな本。質的研究法の指導者向け。

Krueger, R. A. (1994). Focus groups: A practical guide for applied research (2nd ed.). Thousand Oaks, CA: Sage.

マーネン, J. V. (1999). 『フィールドワークの物語:エスノグラフィーの文章作法』.現代書館.
*エスノグラフィーの記述のあり方を深く考えさせる書。

Miles, M. B. & Huberman, A. M. (1994). Qualitative data analysis (2nd ed.). Thousand Oak, CA: Saga.
*データ分析の実例や具体的テクニックが豊富に掲載されていることで有名な書。

箕浦康子編(1999). 『フィールドワークの技法と実際:マイクロ・エスのグラフィー入門』.ミネルヴァ書房.
*フィールドワークの技法を実際に修得したり指導したりするときに役立つ書。学生のレポートはすばらしい。

Morgan, D. L. (1988). Focus groups as qualitative research. Newbury Park, CA: Sage.

Patton, M. Q. (1990) Qualitative evaluation and research methods (2nd ed.) Newbury Park, CA: Sage
*特に、プログラムや政策などについての質的評価のための方法を論じたものとして有名な書物。ユーモアあふれる記述と的確な事例が豊富。インタビューの章は充実している。

戈木クレイグヒル滋子.(2005).『質的研究方法ゼミナール: グラウンデッドセオリーアプローチを学ぶ』.医学書院.
*ストラウス & コービン(2004)を併読するとよい.木下康仁(2003)との相違点にも注意.

戈木クレイグヒル滋子.(2007).『グラウンデッド・セオリー・アプローチ:理論を生みだすまで』.新曜社.

佐藤郁哉(2002)『フィールドワークの技法:問いを育てる,仮説をきたえる』.新曜社.
*佐藤氏の前著 『フィールドワーク:書を持って街へ出よう』からさらに踏み込んだ技法が,豊富なフィールドワークの体験をもとに語られている.

Spradley, J. P. (1979). The ethnographic interview. Fort Worth, TX: Holt, Rinehart and Winston.

ヴォーン, S., シューム, J. S., & シナグブ, J. (1999). 『グループ・インタビューの技法』.慶應義塾大学出版会.
*フォーカス・グループ・インタビューについての専門書の初めての翻訳.

質的研究論文の読み方と評価基準

Hammersley, M. (1998). Reading ethnographic research (2nd ed.). London: Longman.

事例研究[書籍を中心にします。論文については,現在は質的研究が数多く出版されており、これは膨大な数になりそうなので、講座の本文中で言及したものをあげるにどどめます]

Edwards, D. & Mercer, N. (1987). Common knowledge: The development of understanding in the classroom. London: Routledge.

Erlwanger, S. (1974). Case studies of children's conceptions of mathematics. Dissertation Abstracts International, 35, 712A. (University Microfilms No. 75-11, 653)

ランパート, M. (1995). 真正の学びを創造する:数学がわかることと数学を教えること。佐伯胖、藤田英典、佐藤学編『学びへの誘い』(pp. 189-234)、東京大学出版会[原書Lampert, M. (1990). When the problem is not the question and the solution is not the answer: Mathematical knowing and teaching. American Educational Research Journal, 27, 29-63.]

Lampert, M., Rittenhouse, P., & Crumbaugh, C. (1996). Agreeing to disagree: Developing sociable mathematical discourse. In D. R. Olson & N. Torrance (Eds.), Handbook of education and human development (pp. 731-764), Malden, MA: Blackwell.

レイブ, J. (1995). 『日常生活の認知行動』. 新曜社.

Mehan, H. (1979). Learning lessons: Social organization in the classroom. Cambridge, MA: Harvard University Press.

Millroy, W. L. (1992). An ethnographic study of the mathematical ideas of a group of carpenters (Journal for Research in Mathematics Education Monograph No. 5). Reston, VA: National Council of Teachers of Mathematics.

無藤隆・やまだようこ他編(2002). 『質的心理学研究 1』. 新曜社.
*内容は心理学の分野であるが,問いの立て方,論文の書き方,評価基準等を考えるのに非常に参考になる。

Rogoff, B. & Lave, J. (1984). Everyday cognition: Its development in social context. Harvard University Press.

佐藤郁哉(1984). 『暴走族のエスノグラフィー:モードの叛乱と文化の呪縛』. 新曜社.

Saxe, G. B. (1988). Candy selling and math learning. Educational Researcher, 17(6), 14-21.

Schoenfeld, A. H. (1985). Mathematical problem solving. Orland, FL: Academic Press.

Schoenfeld, A. H. (1988). When good teaching leads to bad results: The disasters of "well-taught" mathematics courses. Educational Psychologist, 23(2), 145-166.

Smith, L. M. & Geoffrey, W. (1968). The complexities of an urban classroom: An analysis toward a general theory of teaching. New York: Holt, Rinehart and Winston.

Tinto, P. P. (1990). Students' views on learning proof in high school geometry: An analytic-inductive approach. Dissertation Abstracts International, 51, 1149A. (University Microfilms No. 90-26, 100)

Walkerdine, V. (1988). The mastery of reason: Cognitive development and the production of rationality. London: Routledge.


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