ステップ3 予備研究(pilot study)を行う


 研究は、初めから満足いく形で計画を立てて進めるのは難しいものです。本番の研究(ここでは、主研究と呼ぶことにします)に向けて、試験的で小規模の研究を行うことは役立ちます。特に、質的研究の初心者には、研究の進め方の練習としても役立ちます。その際には、以下のことを検討するための資料が得られるように進めます:

1. 研究対象の選択

 研究を進めるのに適した学校、教師、生徒、単元等はどこか、データ収集はいつ、どのくらいの期間進めるかを検討します。研究に理解を示し協力をしていただける人々を探して交渉する過程では、相手の事情を最大限に配慮して進めなければなりません。心理的にストレスが大きいものです。

2. 研究手続きの選択

 どのような研究手続きが適切かを検討します。

・質問紙の場合:質問紙で聞くための質問項目を考案し、それらを少人数の場で試験的に実施してみます。その回答での反応の様子をみて、質問項目を修正したりしていきます。

・実験の場合:小規模の実験を行い、実験の時期、期間、実験手続き、実験用具、実験内容、データ収集手続き、評価法などを検討します。

・観察の場合:手近な場所で、観察実習をします。そして、観察の時期、期間、観察の方法、機器の利用法、観察記録の取り方等を検討します。

・面接の場合:何人かの面接を行ってみます。面接の時期、面接の手続き、面接での質問項目、応対の仕方、面接記録の取り方等を検討します。

 予備研究を始めてください。予備研究も、試験的で小規模ながらも研究であり、データの収集活動を行います。データの収集方法やデータの分析方法は、主研究と基本的には同じですので、ステップ4以下を参照して下さい。

 予備研究の結果については、指導教官と話し合ったり同僚とセミナーを開いたりして検討し、主研究の立案に役立てるようにします。予備研究の結果が十分に有望なものであるときは、その研究をそのまま継続して主研究にする場合もあるでしょう。


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