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2017

5月26日
ずいぶんご無沙汰しました。すっかり夏模様の山口です(室温30℃超!)
5/19-23までJpGU and AGU Joint Meeting(地惑連合)参加のため幕張に滞在していました。7年ぶり(?)のJpGU参加でしたが,ずいぶん規模が大きくなっていました。学会というよりお祭りのよう。今回はめずらしくポスター発表を行いました。

ポスター会場
企業ブースの向こう側にポスターボードが並んでいます。朝早いのでほとんど人はいませんでしたが,コアタイムになると人人人ですごい熱気です。しかし,これだけ大きい会場だと自分の発表場所を探すだけでも一苦労(-_-;)

私の講演題目は,
Nagashima, M and Nishio-Hamane, D. "Babingtonite with epitaxial hedenbergite whiskers" (SCG73-P02)
でした。
本研究のテーマは,"バビントン石板状結晶とその板上に成長する単斜輝石の関係の解明"という非常にシンプルなものでした。先行研究で指摘されていたエピタキシー成長の可能性に関して,TEM観察で直接的な証拠を押さえて,そこで決定された方位に基づいて結晶構造との関連や形成メカニズムを考察しました。実際,この研究で最も難しいのは観察用サンプルの準備だったはずです。文句も言わずに引き受けてくれた共著者の濱根さん(東大物性研)の高い能力と技術力なしには研究の成功はあり得ませんでした。ホントにありがとう、濱根さん!
本研究の成果はMineralogical MagazineのPre-publicationとして公表されています。
Nagashima. M. and Nishio-Hamane, D.: TEM study of the epitaxial association of hedenbergite whiskers with babingtonite. (in press)

JpGUは幅広い地球科学関連分野の国内外の研究者に加えて,高校生や学部生も多いため「よりわかりやすく!」を心がけました。公表済や印刷中の研究成果については,可能な限り配布資料作成しています。今回の配布資料はこちら→ 日本語版英語版

今回は,同じセッションで当学科の大学院生も発表していました。

ポスター会場
岩石学の研究室に所属しているM岡さんが議論中です!
学会会場では,専門書の販売,最新装置の紹介や研究所の最先端に触れられるブースが多くあります。その中で私はマニアックな手ぬぐいと便箋を購入(^-^)

ポスター会場
今回のJpGUでは他大学の研究者の方々にもお会いでき,とても有意義な時間を過ごせました。


3月1日
早いものでもう3月です。
卒論生の指導がひと段落して,束の間の休息=サイエンスの時間です。日々会議や業務をこなし,新4年生の指導をしつつ,自分自身の研究データを見直したり,論文や今後の実験・分析の構想を練っています。(期間限定:2月後半〜3月末)

卒論生3名は2月15日に無事に卒業論文を提出し,現在は各自この1年で得た膨大な研究データをまとめているところです。
学生たちには「データまとめまでが卒論!」と言ってきました(まるで「家に帰るまでが遠足」のようですね…)。データ整理されて初めて石は"研究試料"に,数字は"分析値"になります。たとえ卒論1年間であっても,多くの方の支援や協力,さらに共同利用の実験装置などを利用して初めて研究できます。そのため研究で得られたデータは本人だけのものではないことを十分理解してもらう必要があります。特にこの分野は自然界から研究試料を分けていただくわけですから,なおのことです。ということで,頑張ってデータまとめを進めてもらいましょう!

歴代の卒論たち
実験室の書棚に歴代卒論が整然と並んでいます。箱の中身は観察・分析データや参考文献などです。


1月16日
大寒波の影響で昨日から雪模様の山口市です。
遅ればせながら,あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

大学が1年で最も忙しい時期(1-2月)に突入しました。
現在は今週末の卒論発表会に向けて講演要旨やプレゼンテーションの作成に追われています。本来はこちらが忙しいわけではなくて,発表者が忙しいわけですが,どういうわけでしょうか…(笑)

2016

12月12日
本日,リチウムを含む新鉱物「村上石」の発見について山口大学海洋研究開発機構(JAMSTEC)ジェムリサーチジャパンからプレスリリースを行いました。今回の新鉱物の発見は,今岡照喜教授を中心に進めたきた岩城島のアルビタイトに関するプロジェクトの成果の一つに位置付けられます。「村上石」は著名な鉱物学者・岩石学者である村上 允英(のぶひで) 山口大学名誉教授にちなんで命名されました。

村上石
中央の針〜柱状の無色透明の結晶が今回の主役である「村上石」(LiCa2Si3O8(OH))!(写真横幅2ミリ)
この鉱物は。約 2.5 wt.%のリチウムを含みます。隣のうぐいす色の鉱物は「杉石」で,1976年に村上先生が命名されたものです。こちらもリチウムを多く含みます。

岩城島のアルビタイト
こちらが村上石を含むアルビタイトという岩石です(写真横幅9センチ)。
アルバイト(曹長石)を多く含む珍しい岩石です。岩城島のアルビタイトは世界有数の高リチウム岩体といえるでしょう。

以前から岩城島のアルビタイトには含水準輝石グループに属する"ペクトライト"(NaCa2Si3O8(OH))という鉱物が含まれていることが知られていました。含水準輝石はナトリウム-リチウム置換体がよくみられる種であるにもかかわらず,ペクトライトのリチウム置換体は長らく未発見でした。(ちなみにペクトライトは1828年に有効な鉱物種であると認定されています。古いですね〜)そのことはずっと頭の片隅にありましたが,リチウムを多く含む岩城島のアルビタイトの共同研究を始める際に今岡先生のお話をうかがっていて「ペクトライトのリチウム置換体が存在するとしたらこの岩石だ!」と感じました。それから約1年,直感は確信に・・・。例えるならば,パズルの最後の1ピースがばっちりはまったときのような感覚でした。
しかし軽元素であるリチウムを分析することは容易ではありません。そこでJAMSTECの木村純一上席技術研究員や常 青(Qing Chang)技術主任,そしてジェムリサーチジャパンの福田さんというエキスパートの皆さんに協力を依頼し,快く引き受けていただきました。共同研究者の皆さんの協力なくして,新鉱物発見〜承認にはたどり着けませんでした。

この岩城島のアルビタイトの研究はこれからも続きます。今回の「村上石」の発見からもわかるように,この岩石は大量のリチウムを含みます。しかし,リチウムがいつどこからきて,どのようにしてこの岩石にとどまったのかは未解明です。今後も今岡先生を中心にグループ一丸となって,この特殊な岩石がどのようにして形成されたのか?などさらなるミステリーに挑んでいきます。


10月25日
すっかり秋模様の山口です。怒涛の夏休み期間が一瞬にして終わり,後期授業期間が始まって3週間経ちました。
10月5日に卒論中間発表を終え,4年生の卒論も終盤に入ってきました。気を抜かずに頑張ってほしいです。今日は当研究室の原田さんのお誕生日ということで,午前中のゼミでしっかりお祝いしましたよー。22歳おめでとう!

9月下旬に行われた日本鉱物科学会@金沢大で「日本の石」が選定され,私も清き一票を投じてきました。水晶(石英)との決選投票の結果,日本の石は「ひすい(ひすい輝石およびひすい輝石岩)」になりました。一般に広く知られているので,日本の石として相応しいと思います。

8月5日
無事に前期授業期間終了。
来週は某大学で集中講義を行います。1日5コマ×3日間連続なのでかなり大変そうです(履修する学生も大変でしょう)。そのようなわけで前期が終わったにも関わらず講義の準備に追われています。
昨日は学生からのリクエストで"100円ではない回転ずし"で就職をお祝いました。来週私が不在の間もお寿司パワーで頑張ってくれそうです。

7月30日
まもなく前期授業期間も終わりを迎えようとしています。すっかり夏模様の山口です。
当研究室の学生3名は無事に希望通り進路が決まり,ようやく特別研究(=卒論)に専念できる状況になりました。10月頭の中間発表会に向けてこの夏休みが勝負ですね。
最近話題の「ポケモンGO」旋風は学内でも吹き荒れており,夜な夜なスマホをもって学内を徘徊する学生たちがたくさん見られます。理学部前の火山弾がポケストップ(?)になっているという噂も耳にしました。ポケモン世代ではないので私にはさっぱりわかりませんが,学生に聞くと(今のところ)ものすごく楽しいそうです。
私がスマホで重宝しているのは,モバイルSuicaです。土地勘のない出張先で切符売り場で巨大な案内板を見上げて自分の降りる駅を探すのは結構やっかいでした。気が向いた時に無駄なく乗ったり下りたりできる交通系電子マネーは重宝しています。全くの趣味ですが,ワインのデータベースアプリvivinoは,ラベルの写真を撮るだけで銘柄・産地・年などの情報を読み込んでくれる上,世界中の人たちのレビューが見れて興味深いですよ。

4月23日
卒業式から約1か月が過ぎ,前期講義も始まりました。
昨日は大学時代の後輩の勤める企業に分析装置をお借りするために足を運びました。これからデータ処理をすすめますが,色々と学ぶことがありました。お忙しいところご対応いただいたことに感謝いたします。

今年度の当研究室の卒論生は3名です。それぞれ就活や卒論にがんばって立ち向かっています。
毎回卒論に共通するテーマは「しっかり見てみよう」です。なんだか間抜けな書き方ですが,野外での調査,肉眼での試料観察,顕微鏡下での観察,そして化学分析という全てのスケールで自分でしっかり観察することが卒論には大事で,そこで"何か"に気づく事,ひっかかることが研究の第一歩だと考えています。 この「気づき」は教えて分かるというものでもないので(これが悩ましい!),しっかり自分の感性をこの1年でピカピカに磨いてほしいと思います。この能力はきっと社会に出ても役に立つでしょう。

3月24日
一昨日,山口大学の卒業式が行われました。当研究室の松本くんも無事に卒業証書を手にしました。

仲良しコンビ松本くんと佐藤くん

島根大学地球資源環境学研究報告に永嶌・岩佐・赤坂による「島根半島三津地域に分布する熱水変質ドレライトに産するぶどう石の産状と化学組成の関係」が掲載されました(リンク先からDL可)。先日,岩佐さんに別刷りを送付したところ,お礼と近況報告をいただきました。彼女が卒業して丸3年になりますが,変わらず元気に仕事を頑張っている様子で良かったです。がんばった卒業論文は少しの後押しで論文として公表できることが多いので,今後も学生さんたちの頑張りをひとつでも多く形にしていければと思います。

いろんなことに追われている間にあと一週間で新年度…早すぎる!


3月7日
3月5日(土)に島根大学の赤坂正秀教授の最終講義,退職記念パーティーに出席しました。
最終講義はいつも専門講義が行われる学科の講義室(なつかしい!収容人数約80名)で行われましたが,立ち見がでていました。ご講演のタイトルは「鉱物科学と自然の弁証法」で,先生らしい講演でした。前半に大学院時代にお世話になった先生方,諸先輩方について熱弁を振るっていたら,全く時間が足りなくなり後半は駆け足に。パーティーの時間も迫っているため,最終講義にも関わらず「時間がないので飛ばします」の連続。最後に大学の在り方,学科のあり方など最終講義ではあまり聞かない話まで飛び出して,これも先生らしいな…と。その後のパーティーの参加者は,赤坂研究室出身者約20名,その他卒業生10名強,スタッフ,ご来賓の方などをあわせて60名くらいだったと思います。私も同級生やたくさんの研究室の後輩たちに再会し,とても楽しい時間を過ごすことができました。

最終講義
三瓶領域長による赤坂教授の経歴紹介

記念品贈呈
濱田さん・江島さん・五石さんによる記念品贈呈の様子


2月17日
19日の卒論提出に向けて当研究室の松本くん(4年生)は毎日奮闘中です。ここ数日で論文の全体像がようやく見えてきました。添削しながら,日本語の難しさを感じています。

昨日ニュースで「日本地図した伊能忠敬と測量団を支援した日本各地の協力者1万2千人がデータベース化されて公開された」という記事を読みました。子供の頃,伝記本の中にあった「伊能忠敬」を読んで(昔は立派な人物の伝記本や昔話・おとぎ話の本がずらーっと本棚に並んでいましたが,最近はどうなんでしょう?!),「日本中を歩いて地図を作るのはすごく時間がかかったのだろうな。大変だっただろうな。」と子供心にのんびり想像していました。あらためてWikipediaなどで調べるとその期間は約17年で,しかも50歳を過ぎてから測量を開始したということ。以前,九州国立博物館で伊能図の復元を見たことがありますが,その精密さと美しさに驚愕しました。あれだけの地図を作成するのに地元の人々の協力が不可欠であることは想像に難くありません。
公開されたデータベース「伊能測量旅程・人物全覧」には,宿舎や出迎人などが書かれており,大変詳細に記録されていること,またそれがきちんと保管されてきたことに感心しました。ためしに私の出身地である福岡をみてみると・・・なんと1812年第8次調査でご先祖様が伊能忠敬測量団の「案内」を買って出ていたことが判明。1日限りですけどね。まさか今になって,我が家と子供の頃伝記で読んだ「伊能忠敬」の接点があきらかになるとは。こんなことってあるんですね。

2月9日
2016年が始まって1か月以上経ちましたね。ご無沙汰しています。
今日は修士論文発表会が行われました。本日の主役の大学院生(M2)が大学に入学した時に着任したので,あれからもう6年…。
当学科では12〜2月にかけて,3年生の進級論文発表会,4年生の卒論発表会,M1の修士論文中間発表会,M2の修士論文発表会と怒涛の発表会シーズンを迎えます。 本日の総括で金折先生がおっしゃっていましたが,研究内容と発表スキルは学年を追うごとに着実にレベルが上がっていきます。頼もしいですね。

☆櫻井賞受賞記念の研究紹介が次号の岩石鉱物科学に掲載予定です。
永嶌真理子 (2016) 「三重県伊勢市菖蒲から発見された3種類の褐簾石族新鉱物」

☆島根大学地球資源環境学研究報告(赤坂教授定年退職記念号)に下記の論文が掲載予定です。
永嶌 真理子・岩佐 清香・赤坂 正秀「島根半島三津地域に分布する熱水変質ドレライトに産するぶどう石の産状と化学組成の関係」
本論文は岩佐清香さん(2012年度卒)の卒論の前半部分に基づくものです。彼女の卒論の後半部分については公表に向けて現在鋭意執筆中です。
今,岩佐さんの卒論を読みかえすと「こんな難しいことをやっていたの!?」と驚きます(論文2編分です)。彼女は自分のアイディアをしっかり持った研究に向いた人でした。決して成績のいいタイプではなかったのですが(笑) 先のことを考えて要領よく仕事ができる人なので,きっと今はその能力を活かして活躍していることでしょう。


2010-2015年のニュースはこちら



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