J-CAT

概要 SYSTEM ITEM Pre- TEST Go To J-CAT 作業記録(研究分担者のみ閲覧可)

プロジェクト概要


インターネットによる日本語のコンピュータ適応型テストの開発と検証
科学研究費補助金基盤研究(A) 課題番号 18202012

◆研究計画の概要
日本語学習者を対象とした日本語能力の判定をインターネット上で,時間・場所の制約なしに実施できるシステムを開発する。このシステムは,コンピュータ・アダプティブ・テスト(computer adaptive test・コンピュータ適応型テスト)とし,以下の特徴を持つテストを構築する。
(1)項目応答理論に基づき,受験集団に依存しない不変的な評価スケールを実現する。
(2)OSの言語等の違いによらず使用できるシステムを構築する。
(3)回答の正誤により,能力別に異なった問題を提示することで、効率的に能力測定を行い,従来の試験より所要時間を短縮し,かつ能力推定精度を向上させる。

アダプティブテストの概念
アダプティブテストは、ちょうど視力検査のように難しい問題と容易な問題を交互に解かせることによって、受験者の能力を推定する方法である。はじめは、能力と問題の難しさの度合いに開きがあるが、何問か繰り返して、能力との開きがなくなった時点で能力を判定する仕組みである。

◆コンピュータ・アダプティブテストの開発の概略図

研究の進捗状況(2006年度〜2008年度)
(1) アイテム作成
@文法・語彙・読解・聴解の各アイテム作成基準を策定した。
ACATに合う形式を検討した。
B聴解アイテムに背景音を入れるなど、真正性に配慮したアイテムを作成した。
C語彙の分類リストを作成し、語彙アイテムの検索システムを構築した。

(2) システム構築
@能力推定および項目選択の方法の比較を行うためのシミュレーションを開発した。これにより,方法および各種条件に関する比較研究を行った。その結果,能力推定はベイズEAP方式を採用することとした。項目選択方法は,Owenの方法で識別力を1に固定した方法と,能力推定値と項目困難度の差の絶対値を最小にする方法が,Item Exposureの観点から有利であることおよびこの両者の方法にほとんど差がないことを示唆する結果を得た。
Aテストレット段階方式とベイズ式逐一計算方式でシミュレーションによる比較を行った。
BJ-CATシステムをWEB上で安定的に動作させるためのサーバー・インターネット環境の検証を行った。これにより国内外での動作環境を確認した。
Cインターネットで使用するJ-CATのシステムを開発した。さらにLANで使用するバージョン,およびスタンドアローンで動作するテストレットバージョンを開発している。3種類のシステムの開発により,使用者の目的・環境に応じて使い分けられることを目指している。
Dディスプレイ画面のコピーを防止するシステムを開発した。E振り仮名つきアイテム等,日本語特有の表示の方法をOSに拠らずディスプレイ上の表示できる方法を開発した。

(3) データ収集と分析
@アイテム作成ガイドラインに従ってプレテスト作成し,国内外で実施した。
A回答パターンのデータを収集し,項目応答理論によって分析し,パラメータ値を推定した。
Bパラメータ推定値を用いてテストを等化する方法の比較を行った。

(4) 運用検証
@開発したシステムを大学におけるプレースメントテスト等で使い,システムの動作検証を行った。
A異なる環境・目的での使用結果を分析・検証した。

2009年度の予定
(1)J-CAT上で回答パターンを収集できるシステムの開発。これによりアイテムプールの拡充の迅速化・効率化を図る

(2)その他の部分については,計画をほぼ達成しつつあるので,これまでの成果をまとめて発表する。

(3)システムの安定した運用のための調整を継続して行う。さらにシステムが広く現場で利用されるように一般のユーザーに対して情報の発信に努める。

◆成果発表等
(1)「J−CAT」商標登録 登録第4954436号 第41類 2006年5月

(2) 今井新悟「コンピューターを使った簡易アダプティブテストの開発:J-CATプロトタイ プ1」『山口大学国際センター紀要』第1号,pp.67-71,2005年

(2) 今井新悟「コンピュータを使った適応型日本語絶対評価システム:J-CAT 2005 Version」 『大学教育』第3号,山口大学大学教育機構,pp.133-143,2006年,原稿

(4) 特許出願 名称:適応型テストシステムとその方法,番号:特願2006-1988912006年
http://www.ryutu.inpit.go.jp/PDDB/Service/PDDBServiceにて検索・閲覧可

(5) Shingo Imai 'Development of Japanese-Computerized Adaptive Test.' The 23rd International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications,Shimonoseki, Japan,PP. 821-824,2008年7月

(6) 中村洋一・今井新悟・菊地賢一・平村健勝「言語テスト開発におけるアイテムバンキングの課題」特別セッション「教育・医療現場でのコンピュータ適応型テストの実用化」日本行動計量学会,2008年9月 

(7) 今井新悟・菊地賢一・中村洋一「J-CATにおけるアイテムバンキングの課題」特別セッション「教育・医療現場でのコンピュータ適応型テストの実用化」日本行動計量学会,2008年9月

(8) 平村健勝・今井新悟・菊地賢一「コンピュータ適応型テストにおけるWeb項目選択シミュレータの開発」特別セッション「教育・医療現場でのコンピュータ適応型テストの実用化」日本行動計量学会,2008年9月

(9) 赤木彌生・中園博美・今井新悟 「コンピュータを使った日本語試験アイテムの開発−J-CAT文字・語彙アイテムを例に−」 日本語教育学会第10回中国地区研究集会,予稿集pp.24-33,2008年12月 資料


研究メンバー 
〔研究代表者〕
今井新悟 (山口大学):研究統括

〔研究分担者〕
伊東祐郎 (東京外国語大学留学生日本語教育センター):アイテム分析
中村洋一 (清泉女学院短期大学国際コミュニケーション科):IRT分析
菊地賢一 (東邦大学理学部):推定法に関する検証
赤木彌生 (山口大学留学生センター):アイテム作成、プレテスト実施
中園博美 (島根大学外国語教育センター):アイテム作成、プレテスト実施
本田明子 (立命館アジア太平洋大学・言語教育センター):運用検証

〔連携研究者〕
北本卓也 (山口大学教育学部) :プログラム・アルゴリズムの検証:
宮崎充保 (山口大学経済学部) :英語CBT研究
中溝朋子(山口大学留学生センター):アイテム作成、プレテスト実施
市川整 (徳山大学経済学部):アイテム作成,運用検証

〔研究協力者〕
渡辺淳一(マレーシア・マラヤ大学日本政府派遣団):プレテスト実施
浅田岐依(山口大学):データ処理
平村健勝(東京工業大学大学院生):プログラミング
福田達也 (山口大学工学部):プログラミング

助成 (含む大学経費)
(山口大学大学教育機構 留学生経費(2005年)
山口大学研究教育後援財団(2005年)
科学研究費補助金基盤(A)(18202012)(2006-2009年)

 

 

◆連絡先◆
研究代表者 今井新悟
〒753-8511 山口市吉田1677-1
山口大学留学生センター
Tel: 083-933-5088 FAX: 083-933-5988