後腸上皮の特殊な分化
下等シロアリの後腸はセルロースの消化・吸収の場である。腸内に共生している原生動物によって消化されたセルロースの代謝産物は、主として後腸前方部の肥大した部位(paunch)で吸収されると考えられている。その上皮細胞は、原生動物が感染し消化活動が活発になる時期と一致して特殊に分化してくる。下の図はその分化過程を示している。stage 1からstage 5はシロアリの齢を示している。stage 5 以降は形態的にほぼ同じで完成した上皮である。特殊分化とは、細胞上部を覆うクチクラが細胞のほぼ中央部で特殊化すること(stage 3以降に赤の矢印で示している)と、そのクチクラの直下の細胞膜が集中的に陥入しその膜間にミトコンドリアが配列する等である。このような特殊構造はその場所が吸収機能を持つことを示唆している。(N: nucleus) 模式図(雀部)

stage 1

stage2

stage 3

stage 4

stage 5

stage 5以降の後腸上皮細胞の電子顕微鏡写真

後腸上皮の拡大電子顕微鏡写真

右に核の一部が見える。核上部から細胞頂部に至る細胞質内にミトコンドリアが集合しその一部は頂部膜陥入の間に配列している。

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